商品の品質は、精緻な作業を通じてのみ達成されます。 それは、一般的な鋳造製品から、最先端の技術を駆使したティーキャストやダイレクトキャストに至るまで、すべてに共通 した事実なのです。もちろんあらゆる作業過程において、高品質を実現するための設備、機器を導入し、常にその最高の 性能が発揮できるようにメンテナンスを施すといった体制は必要不可欠です。 けれども私たちは、それだけではまったく不十分だと考えます。 設計図のデータ処理から最終検査を終えるまで、すべての作業に関わるエンジニア各人の高いスキルがあってこそ、 所沢軽合金品質が守られているのです。
お預かりした設計図を元に、最も高い品質で鋳造が行えるようデータ 処理を行います。十分に吟味された方案の完成は、お客様のご要 望を満たすための第一歩。最新鋭のコンピュータに頼るだけでなく、 豊富な経験とアイデアが生み出すノウハウがあってこそ、実現できる 技術なのです。
完成した方案は、最新鋭の3Dマシニングや、熟練した職人の手に よって木型へと姿を変えます。言うまでもなく、製品の完成度を大き く左右する木型の完成度は、その後の砂型製作や鋳造過程における 技術的な要点を把握した職人の知恵なくしては生まれません。製品 の完成度を大きく左右する、重要な工程です。
素材に適合した上質な鋳砂を使い、砂型を製作します。手込め造形、 機械造形の別なく、1つ1つ念入りな検査が終了して完成となります。 完成した砂型は、湯入れに備えて丁寧に組み立てられます。
製品として完成したときに必要な条件を満たす合金に調整された湯を、 砂型に流し込みます。湯の温度は、合金の種類や砂型の形状により 微調整され、重力鋳造法あるいは低圧鋳造法により適切な速度で流し 込みを行います。
砂型に湯入れした合金が十分に固まったら、砂型を崩し、製品を取り 出します。簡単な作業のようですが、製品を傷つけないように最新の 注意を払い、複雑な造形部に取り残された鋳砂を丁寧に除去する 必要があります。
砂型の組み付けに生じるバリや、押し湯部分など、製品として余分 な部分を取り除きます。設計図の寸法通りへの仕上げは、すべて 熟練した従業員の手作業にて行うため、同時に製品の検査も行うこ とができます。
表面硬度指示のある製品に関しては、必要な硬度を得るために熱処 理を行います。熱処理は、製品の形状や容積を元に温度、時間等 を算出して、完全自動制御の専用釜を使用して行うため、最適な表 面硬度を確実に得ることができます。
一般的に製品の装飾や保護、防錆を目的として行われます。 弊社では主に「吹付塗装」(塗装を霧状にして高圧空気とともに吹き付ける塗装)、「焼付け塗装」(一般的に120℃~200℃の温度で30分以上吹き付ける塗装)を用いています。
熱処理の有無に関わらず、この段階で素材検査を行います。製品 の表側から見えない部分に関しては、ファイバースコープを使用し ます。また製品自体に生じたミクロ単位のクラックも見逃さないように、 カラーチェックも同時に実施します。
精密な加工精度が要求される製品に関しては、コンピュータ制御の NC旋盤等を使用し、精密機械加工を実施します。エンジン内部の 摺動パーツのように、極めて高精度な寸法へのオーダーにも余裕を 持って応えられる体制を整えています。
すべての加工が終了した製品は、専任の検査員の手によって、三次元測定機等による最終検査を受けます。非常に厳格なこの検査工程をパ スして、はじめて所沢軽合金品質の製品として、お客様のお手元へ と旅立つことが許されるのです。